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理想の“小さな広場”バルセロナ パタン・ランゲ―ジ [広場]

『Plaça de Sant Felip Neri』

この広場が、スペインにとって大切な忘れらない広場とは知らなかった。多くの戦争の傷跡があるのは、知っていたが、またサクラダファミリアを設計したガウディ―との関わり合いがあること、毎日、ガウディが訪れた場所、教会であることを知らなかった。
≪ガウディを知るためには、彼の作品を見るのでなく、彼が見たものを見なくてはならない≫と、「サクラダファミリアの彫刻を担当している彫刻家/外尾悦郎氏の言葉」


『Plaça de Sant Felip Neri』

ゴシック地区の主要街路沿いにある「Plaça de Degarriga 1 Bachs」を調査をしているときに、まったく偶然見つけた広場だ。この広場の存在は、私にとって、槇さんの『記憶の形象』からの概念の「奥」の空間だ。

そして、『パタン・ランゲ―ジ』 C・アレグザンダー著 平田翰那訳から、考えると理想の広場。

「環境設計の手引」として知られているパタン・ランゲージの中から「61 小さな広場」から考えると、バルセロナのPlaça de Sant Felip Neriは、理想的な広場だ。

抜粋“…実験から次の結果が得られた。正常な視力の2人の人間は、75フィート(23m)までなら気持ちよく意志を伝達ができる。大声で言葉を交わし、顔の表情をお互いに確認し合える。この75フィートという上限値は、きわめて信頼度の高いものである。100フィート(30m)になると、会話は不快になり、顔の表情は読みとれなくなる。

公共広場は、はじめに想像するよりずっと狭くすること。通常は45から60フィート以下の直径 にし、広くても70フィートを超えないこと。これは短手方向だけに適用し、長手方向は当然もっと広く ても良い。”



『Plaça de Sant Felip Neri』実測調査
http://unlike.net/barcelona/escapism/placa-sant-felip-neri


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この広場には、2本のアプローチがある。 北側のアーチのあるアプローチと南側のメインのアプローチだ。そして、広場には噴水と3本の樹木。 広場を形づくる壁、2つの教会があるが、全体の雰囲気は宗教的よりも生活の場から生まれた雰囲気が漂う。 建物と広場の比率D/Hは、1以下だろう。芦原氏の広場の定義にもあっている。


この広場は、イタリアにある広場を合わせて考えても、私にとって『小さな広場のなかで、理想な広場』。


「二つのアプローチ」


北側のアーチをくぐり、広場に入るアプローチは、空間を限定し、明と暗をくっきりとさせている。前方を見ると、教会の斜めの壁に更なる、奥への期待感がわく。
広場に射し込む太陽光線が強ければ強いほど、つまり明暗の差が、大きいほど奥への期待感は大きい。更に、太い樹木の幹の存在も“何があるのだろう”と期待がわく。

二つ目の、南側のアプローチの特色は、幅3.4mの縦に空間を絞るように区切った街路の場合も同様に奥への期待感があるが、前者ほど明暗の差が強くないので期待感は小さい。

このアプローチの素晴らしさは、正面に幅3.5mの噴水が迎えてくれる。そして、その先にある独特のデザイン、一番高い高さの教会の明るい色のファサードが後方の壁をつくる。

そして、広場の中に入ると高木の樹木が、無味乾燥になりがちな広場にやわらかい空間とし、やすらぎをあたえ、木々の風の音、水の音、若者の演奏、話し声が聞こえてくる。

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「教会の前いつもたむろする若者」

教会の前に座り、ギターを弾きながら歌う。

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「美しい床」と「噴水」

噴水の形を造るように、重要な場所を示すように敷かれた“敷石の造形の美しさ”“広場の中心からわずかにずれている”ことが、教会の前の人の溜りをつくっている。

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“噴水の配置が広場の中心からずれている”ことの重要性について
126 ほぼ中央の焦点パターン・ランゲージより以下のことを抜粋した。

“中央のない公共空間は、人に寄り付かない間の抜けた空間になりやすい”明瞭な中心を持たない広場の数少ない例であるサンマルコ広場でさえ、そこに張り出した鐘楼がこの広場一体にし、変則的な中心を形成している。http://musashinosekkei.blog.so-net.ne.jp/archive/201103-1

カミロ・ジッテは、「広場の造形」で…広場の中央に何かを置きたいという衝動が、現代の「悩みの種」であると述べている。

公共広場、中庭、小さな共有地などには、そこを横切る自然な道筋は残し、ほぼ中央に何かー噴水、立木、立像、腰掛けつきの時計塔、風車、演台などーを設けること。それを、広場に揺るぎない生命力をもたらし、人びとを中心に引きつける物に仕立てること。本当の中心に置きたいという衝動を抑えて、人の道筋のあいだに正確に配置すること



「広場にある三本の古い高木」


私が紹介するイタリアの広場には、樹木はない。樹木があるイタリアの広場は想像できない。しかし、バルセロナの広場にある樹木は、広場に似合っている。どうしてだろう?

パタン・ランゲ―ジでは、木が人間環境の3大要素の一つを構成するという指摘している。
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「171 木のある場所」に“樹木が生み出す特別な空間を考えずに、植樹や刈り込みを行えば、樹木の不可欠な人間にとっては死んだも同然の存在になる。”

人々に愛される樹木は、独特の社会的場所を生み出している。そこに立ち止まったり通り過ぎる場所。夢想したり絵を描く場所。樹木はさまざまな社会的場所をつくり出す潜在力を秘めている。

“近くの建物は、樹木に応じて形づくること。そうすれば、樹木そのものが、あるいは樹木と建物が一体になり人々の使える場所を形成する。”

「173 庭囲い」の中で、“人間は、樹木や植物や水との触れ合いを必要としている。人間は自然に向かうと全的になり、自己の内奥を見つめ、なぜか植物や樹木や水の生命からたくましい活力を吸収するのである。”


2017年7月24日~8月4日 前回は冬、今回は夏この広場を見た。
「広場には光と影あってこそ、更なる美しさがある」

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二つのアプローチがある。
木漏れ日の光と影、人の流れと人の淀み、イベント(写真撮影ウエディング)、静粛とざわめきの対比 等感じさせる場所、

そのための装置(樹木、噴水など)も必要、
近くのアイスクリーム屋も一役買っているかもしれない

今回最高に100名以上のひとでこの空間が埋め尽くされた。

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